死亡事故や重大事故が発生する可能性がある危険な交差点には、目に見えない潜在的なリスクが存在します。この見えないリスクを、交差点の交通状況を記録したビデオから交通挙動を解析することより、リスクの可視化、定量化が可能になりました。
交通ビデオ解析テクノロジー
AIによる画像解析技術は、検出モジュール・追跡モジュール・空間調整モジュールで構成されています。検出モジュールにより、歩行者、自転車、車両を自動的に認識し、追跡モジュールで、フレーム間の連続したそれぞれの道路ユーザーパスを作成します。空間調整モジュールは、自動的にレンズの歪みを取り除き、動的視差補正を適用して、それぞれの位置を立体的に正確に位置把握を行います。この技術により、交差点で起こる全ての動きを、正確にデータ化することを可能にしました。
リスクの抽出と可視化
ビデオ解析によりすべての挙動がデータ化されたのち、危険事象の抽出を自動的に行います。危険事象はいうなれば「ヒヤリハット」のことです。「ヒヤリハット」危険度のリスク指標の一つとしてPost Encroachment Time(PET)という指標を活用します。「PET」とは、道路利用者間の衝突が回避された時間のことです。具体的には、例えば、接触事故は起こらなかったが、接触しそうになった2台の車両の1台がその地点をクリアした時点から、次の車両がその地点に到着した時点までの経過時間です。「PET」の値が小さくなるほど危険度が上がり、「0」となった場合に衝突が起こります。横軸に「PET」、縦軸に車両のスピードを置き、交通挙動の全てをリスクマッピングします。
リスク挙動の延長線上に事故は発生
交通事故の陰には数多くの「ヒヤリハット」が存在します。その「ヒヤリハット」を定量化・可視化することで、その交差点の危険度や危険性の原因を探ることが可能になりました。これにより重大な事故が発生する前に対応が可能となります。
活用の方向性
交差点リスク診断
ビデオ解析による交差点安全性診断サービスは、北米を始めとした大都市部において、主要な交差点のビデオ記録を解析し、分析レポートしています。各交差点のリスクプロファイルを作成して、定量的に把握することで、対策を優先する交差点とその改善点が特定し、個別交差点の交通安全対策工事のための基礎データとしても活用されています。
交通安全対策への裏付け資料として
実際に起こった事故の分析と共に、ビデオ解析による交通挙動の推察を加えることで、交差点独自の課題を抽出し、交通安全対策工事の設計に役立たせます。
交通安全対策の効果検証
交通安全対策前後のデータを比較することにより、交通安全対策の効果検証が短期で確認できます。意図した対策効果が表れているか、対策によって新しいリスクが生まれていないか、追加対策が必要か、などの検証が可能となります。
MicroTraffic社は、2017年にカナダ マニトバ州 ウィニペグに設立された交通安全分析プラットフォームのプロバイダー企業です。私たちはこの技術が日本の交通安全に寄与するものと確信し、日本の交差点分析に提供することといたしました。
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